ベイジの五ノ井です。役職はディレクターですが、編集者の経験があることから、コンテンツや文章のクオリティを管理する立場で働いています。6月からは、ベイジの日報の編集長も務めています。
そんな私の第一回目の記事は、文章について。
デジタル化が進む今、文章力は社会人の最重要スキルといって過言ではありません。
今は会話や電話のような音声コミュニケーションの機会がどんどん減り、多くがメールやチャットのようなテキストコミュニケーションに置き換えられています。文章力がある人には、企画書、社内資料、記事、SNSなど、様々な媒体を通じて自分のメッセージを届け、影響力を高めるチャンスが転がってきます。
これほど重要な文章力について、ほとんどの人は高校以降は専門的な教育を受けることもなく、働き始めます。文章に苦手意識を持っている社会人も非常に多いですが、作家やライターではない社会人が覚えるべき文章のセオリーは僅かです。それだけで最低限の文章力が身に付き、平均的な社会人よりも「文章が上手い」と言われるレベルに到達できます。
本記事では、そんな社会人向けの文章に関する11のセオリーを紹介します。
「情報量の割に文章が多い」というのは、社会人の文章によくある問題です。文章に苦手意識がある社会人はつい、無駄な言葉を多く含めて、簡単な事柄をわざわざ難しく言い換えてしまいます。しかし、「情報量が同じなら短い文章ほど伝わりやすい」という原則を忘れてはいけません。
例えば、以下の例文を読んでみましょう。
■例文(127文字)
我々が設定している『組織バリュー』とは、組織のメンバー全員の行動を規定するための、組織として守るべき信条や、全員で共有しておくべき価値観です。我々のビジョンの実現に向けて、どのような組織文化を築いていかなければならないかを、細かく規定したものになります。
特に間違ったことは書いていません。文法として明らかにおかしい部分もありません。しかし、一読しただけではすっと理解できない、回りくどさやもどかしさを感じます。
なぜそう感じるかというと、無駄な言葉が多く含まれているからです。例えば、以下の取り消し線で示した箇所の言葉は、なくても意味が伝わる、無駄な言葉です。
■例文(127文字)
我々が設定している『組織バリュー』とは、組織のメンバー全員の行動を規定するための、組織として守るべき信条や、全員で共有しておくべき価値観です。我々のビジョンの実現に向けて、どのような組織文化を築いていかなければならないかを、細かく規定したものになります。
それらを削除して整えたのが、以下の文章になります。
■改善例(69文字)
『組織バリュー』とは、メンバー全員の行動を規定した信条や価値観です。ビジョン実現に向けて築くべき組織文化を、バリューとして規定しています。
127文字あった文章が69文字まで減りました。その結果どうでしょうか?最初の文章よりも明らかに趣旨を読み取りやすくなったはずです。
続く次の文章において、無駄な言葉がどれかわかりますか?
■例文(51文字)
文章から無駄な言葉を取り除くことで、読者が文章を読み飛ばしてしまうという可能性を減らすことができます。
なんの変哲もない文章に思えますが、ここにも無駄な言葉がいくつか含まれています。
■例文(51文字)
文章から無駄な言葉を取り除くことで、読者が文章を読み飛ばしてしまうという可能性を減らすことができます。
修正した文章が以下です。51文字から34文字まで減り、よりスッキリと読みやすい文章になったのではないでしょうか。
■改善例(34文字)
文章から無駄な言葉を取り除けば、読者が読み飛ばす可能性を減らせます。
このような「無駄な言葉」には、ある程度のパターンがあります。以下に紹介するようなことを覚えておくだけで、簡単に言葉の無駄を減らすことができます。
「~という」「~こと」などの形式名詞は、なくても意味が伝わるので、できるだけ減らしましょう。また、「~することができます」「~することが可能です」などは、「~できます」「~が可能です」と短く言い換えられます。
例えば「混迷を極めるビジネス環境下においては~」「価値観の多様化により日本の社会においては~」といった前置きの文章は、誰もが分かってることであり、書いたところでほとんど何の意味もなさない、無駄な文章です。
有名な表現でいえば「頭痛が痛い」がありますが、ビジネス上では「構成するメンバー」「会社の社員」「各項目ごとに」「進捗が捗る」などは、名詞の中に含まれている意味をわざわざ重複記載しており、無駄です。
「~させていただきます」という言葉が何度も書かれた文章をしばしば見かけますが、ビジネスの文章に謙譲語や尊敬語は不要です。尊敬語や謙譲語、過剰な丁寧語が多く含まれると、肝心の内容が伝わりにくくなってしまいます。
「業務Aについては、◯◯社が対応します」の「について」は、言葉のリズム感的に入れたくなりますが、情報を持たない不要な言葉であり、「業務Aは、◯◯社が対応します」でも問題なく伝わります。
1つの文章に1つの内容しか書かないことを、「一文一意」といいます。これを守るだけで断然文章が読みやすくなるのですが、意識せずにいると「一文三意」や「一文四意」になりがちです。
1つの文章に複数の意味・意見が存在していると、読み手の理解を妨げる原因となります。例えば以下のような文章です。
■例文
WordPressをアップデートするのかを開発前に判断してほしいと考えているのですが、というのも、アップデートするとプラグインが使えなくなることがあり、それによって無駄な修正作業が発生する可能性があるため、私共としては開発前に決断してほしいと思っています。
読んでいて、まどろっこしい印象を持ったのではないでしょうか。これだけの量が一文で繋がっていると、簡単な依頼や説明であるにもかかわらず、ようするに何を言いたいのかが、わかりにくくなります。
このように文章が長くなる場合は、構造を分解してみましょう。この例文を分解すると、以下の4つの文で成り立っていることがわかります。
(1) WordPressをアップデートするかを開発前に判断してほしい
(2) アップデートするとプラグインが使えなくなることがある
(3) それによって、無駄な修正作業が発生する可能性がある
(4) だから、開発に入る前に決断してください
これらを「一文一意」を意識し、回りくどいへりくだった言葉をカットすると、以下のようになります。
■改善例
WordPressをアップデートするのかを開発前に判断してください。アップデートすると、プラグインが使えなくなることがあります。それによって、無駄な修正作業が発生する可能性もあります。そのため、開発前に決断してほしいです。
見てお分かりのように、文章を短く切った方が、明らかに伝わりやすくなります。このような一文一意の文章を作成するコツは、2つあります。
長くて回りくどくて伝わりにくい文章を書く癖がある方は、このコツを念頭に置いてみるとよいでしょう。
プレスリリースや製品サイトの文章でよく見かけるのが、「何かを言っているようで、何も言っていない文章」です。例えば、以下のような文章です。
■例文
プロダクトの品質を改善するためにはユーザーとのコミュニケーションが欠かせません。私たちは何年にも渡ってユーザーから貴重なフィードバックを得ています。そして、そのフィードバックを製品に反映し続けることで、ユーザーファーストな業務管理システムを実現しているのです。
一見、もっともらしいことが書かれているように思いますが、よくよく読んでみると抽象的な言葉のオンパレードで、具体的な特徴が何も示されていません。特に修正すべき部分は、次の通りです。
■例文
プロダクトの品質を改善するためにはユーザーとのコミュニケーションが欠かせません。私たちは何年にも渡ってユーザーから様々な業種業態のお客様から貴重なフィードバックを得ています。そのフィードバックを製品に反映し続けることで、高品質な業務管理システムを実現しているのです。
「品質」「何年にも渡って」「様々な業種業態」「貴重なフィードバック」「高品質な」などのビジネス常套句ともいえる抽象的な言葉が多く、何が特徴のどんな製品なのかが、ほとんどわかりません。
これでは読み手が「よさそうな製品だ。すぐ問い合わせしてみよう」となる確率は低いでしょう。
ビジネスの文章と言えば、堅苦しいビジネス用語をできるだけ多く使った方がいいと思いがちですが、そうすると大抵、抽象度が高く、何かを言ってるようで何も言っていない文章になりがちです。
抽象的な文章にならないようにするポイントは、大きく4つあります。
これに沿って修正した文章が以下です。
■改善例
プロダクトの顧客満足度を高めていくには、ユーザーとのコミュニケーションが欠かせません。私たちは10年以上、年2回のユーザーミーティングと、1000社を超える顧客企業に対する100項目に及ぶアンケートを、定期的に実施しています。そこから得られた意見を製品に反映し続けた結果、今では顧客満足度No.1の業務管理システム※として、ユーザーから評価されています。
※◯◯◯◯調べ
抽象的な表現が目立つ箇所は、以下のように変更しています。
BtoBの無形商材などでは、具体的な言葉で表現するのが難しいこともありますが、そんな場合も、実際の制度やプロセス、数字などを引用しながら、できるだけ具体的に書くようにしましょう。
修飾語と被修飾語が離れすぎていたり、修飾語が長すぎたりすると、読みにくくわかりにくい文章になります。
修飾語とは「ある言葉を説明する言葉」を指し、被修飾語とは「修飾語によって説明される言葉」を指します。「ロジカルなデザインが得意な高田さん」という文章の場合、「ロジカルなデザインが得意な」が修飾語、「高田さん」が被修飾語です。
この修飾語と被修飾語の原則として、「修飾語と被修飾語はなるべく近くに置く」があります。
■例文
1営業日以内に、A社の佐藤様から高橋部長宛に依頼があった業務について確認します。
この文章では、「1営業日以内に」が修飾語が、「確認します」は被修飾語です。しかし、間に他の文章が挟まっているため、修飾語と被修飾語の関係性がやや複雑になっています。そこで以下のように修飾語と被修飾語を近づけると、より分かりやすくなります。
■改善例
A社の佐藤様から高橋部長宛に依頼があった業務について、1営業日以内に確認します。
この、修飾語と被修飾語を近くする以外にも注意すべきことがあります。それは、長すぎる修飾語は避ける、というものです。
■例文
Slackは、オンラインゲームの開発時に使用されていた社内用のコミュニケーションツールが原型となっており、その簡便さから今では業種・業界を問わず世界50万社以上で導入されている、チャットツールです。
この文章では、「オンラインゲームの開発時に使用されていた社内用のコミュニケーションツールが原型となっており」と「その簡便さから今では業種・業界を問わず世界50万社以上で導入されている」の両方が「チャットツール」を修飾していますが、長い一文で繋がっているために、やや伝わりにくい文章になっています。
修飾語が長くなったときは、文章を分割して再構成するといいでしょう。
■改善例
Slackは、オンラインゲームの開発時に使用されていた社内用のコミュニケーションツールが原型となっているチャットツールです。その簡便さから、今では業種・業界を問わず世界50万社以上で導入されています。
他の人から文章について「まどろっこしい」「冗長」と指摘される人は、修飾語と被修飾語の位置関係や長さに注意して、文章を書くようにしてみましょう。
読点の打ち方に厳密な正解はありません。ただ、読点が少なすぎる文章も、多すぎる文章も、読みにくい印象を与えます。そのバランスが難しいのですが、ここではすぐに取り入れられるコツを紹介します。
まず基本として、主語が長い場合は主語の後ろに読点を打ちましょう。
■例文
戦略とデザインに強いWEB制作会社のベイジは今年で創業10年を迎えます。■改善例
戦略とデザインに強いWEB制作会社のベイジは、今年で創業10年を迎えます。
漢字やひらがなが連続すると読みにくくなることがあるので、不自然でなければ読点を入れましょう。
■例文
具体的な目標を設定せずに仕事をしていると結果的に自分が成長したのかどうかがわからないままになる。■改善例
具体的な目標を設定せずに仕事をしていると、結果的に自分が成長したのかどうかが、わからないままになる。
また、文脈・文意を確実に伝える上でも、読点は重要です。
■例文
私たちは開発を進めながらサービス改善を担当するA社に支援を求めた。
この文章だと、開発を進めているのが私たちなのか、A社なのかが不明瞭です。どちらかを明確にするためには、以下のように読点を打つ必要があります。
■改善例
A:私たちは、開発を進めながらサービス改善を担当するA社に支援を求めた。
B:私たちは開発を進めながら、サービス改善を担当するA社に支援を求めた。
読点は文章の読みやすさを向上させる上で、、重要な役割を果たします。たかが読点、されど読点、です。なんとなくリズムや雰囲気で読点を打つのではなく、読みやすくするにはどこに読点を打つべきか?を考えながら文章を書くようにしましょう。
接続詞には、以下のようなものがあります。
これらの接続詞には、次に来る文章を予告する役割があります。効果的に使えれば読み手の理解を助けられますが、使いすぎるとくどくどしい文章になってしまいます。
■例文
どんな仕事にも当てはまるが、計画を立てることは大事である。なぜなら、仕事には時間的制約があるからだ。そのため、いくら仕事の質が高くでも、納期を守らなければ価値を失ってしまう。しかしながら、30歳を超えても計画的に仕事を進められない人が少なくない。ただ、計画を立てるスキルは永遠に必要だ。だから、30歳以上であっても身につけたい。
この例文は、文法として間違っていませんが、多用すると「くどい」「しつこい」といった印象を与えます。このような接続詞が多い文章を修正する際の基本方針は、以下の2つあります。
これに従って修正した文章が以下です。
■改善例
どんな仕事にも当てはまるが、計画を立てることは大事である。仕事には時間的成約があるからだ。いくら仕事の質が高くでも、納期を守らなければ価値を失ってしまう。30歳を超えても計画的に仕事を進められない人も少なくないが、計画を立てるスキルは永遠に必要なので、30歳以上であっても身につけたい。
修正前は接続詞が5つ使われていましたが、修正後は1つも使われていません。それでも特に違和感はなく、意味が伝わりにくくもなっていません。
接続詞を使いすぎてしまう人は思い切って削り、違和感があれば、接続詞を残すか前後の文章を繋げてみましょう。
「この」「その」「これ」「それ」などの指示代名詞は、既に出ている文章を短く置き換えられる便利な言葉です。言葉の重複を減らして文章をスッキリさせるためには、指名代名詞の活用は避けられません。
ただし、指示代名詞を多用すると、それぞれが何を指しているのかが分かりにくくなり、文章の伝わりにくさや曖昧さを助長してしまうこともあります。
例えば以下のような文章です。
■例文
案件Aにおけるデザインの進捗が思わしくありません。これまでは順調に進んでいたのですが、今週に入ってそれ以外の想定外のタスクが多数発生し、その影響を受けました。それは主にデザイナーの高橋さんが担当すべきタスクなのですが、元々その前に他の案件の予定が入っていたため、こういった遅延が生じています。その他のデザイナーにヘルプに入ってほしいのですが、このような場合、デザイン部のどなたに相談すればいいでしょうか。
上記は、読めばわからないというほどの文章ではありませんが、8箇所に指示代名詞が使われており、それによって複雑さが増しています。このように指示代名詞が多く使われていることに気が付いたら、以下の方針に則ってできるだけ使わないように修正するといいでしょう。
改善した文章がこちらです。
■改善例
案件Aにおけるデザインの進捗が思わしくありません。先週までは順調に進んでいたのですが、今週に入って想定外のタスクが発生し、影響を受けました。主にデザイナーの高橋さんが担当すべきタスクなのですが、元々他の案件の予定が入っていたため、遅延が生じています。他のデザイナーにヘルプに入ってほしいのですが、デザイン部のどなたに相談すればいいでしょうか。
指名代名詞をすべて削除しましたが、意味の伝わりやすさに問題はないはずです。
実践するとわかりますが、できるだけ指示代名詞を使わないようにすると、文章がより具体的になるだけでなく、自分の思考も明確になります。書き言葉でも話し言葉でも「それ」「これ」など使いがちな人は、普段から意識するようにしましょう。
「~です。~です。~です。」「~ました。~ました。~ました。」のように同じ文末表現が連続すると、リズムが単調になり、機械的で稚拙な印象を与えてしまいます。
■例文
webサイトはビジネスに貢献するために作られるものです。それには戦略的なマーケティング思考と高度なクリエイティブ思考が不可欠です。また、円滑なプロジェクト進行を実現するマネジメント力も必要です。私たちは、その3つの条件を兼ね備えたweb制作会社です。
「~です」が4回も連続しているため、単調でリズム感がなく、機械が自動出力したかのような無機質な印象を与えます。
これを改善したのが以下の文章です。
■改善例
webサイトはビジネスに貢献するために作られるもの。それには戦略的なマーケティング思考と高度なクリエイティブ思考が不可欠です。また、円滑なプロジェクト進行を実現するマネジメント力も必要でしょう。私たちは、その3つの条件を兼ね備えています。
このように、文末表現の重複を避けるようにすると、文章にリズム感が生まれ、血が通っているかのような印象を与えます。また、やりすぎるとくどくなりますが、1つ目の文末のように体言止めを混ぜると、ややドラマティックな印象が強まります。
また、過去の出来事を伝える際に、例えば以下のように、律儀に「~しました」「~なりました」「~た」とすべて過去形で書く人がいます。
■例文株式会社ベイジは2010年に事業をスタートしました。当時の従業員数は3名でした。初年度の案件のほとんどは代理店経由でした。しかし、サイトリニューアルでWEBサイトが上位表示されるようになり、2012年から徐々に直請けの案件が増えていきました。そして、2013年には売上のほぼ全てが直請け案件となりました。
過去に起こった出来事だからと言って、過去形の文末が続くと、やはりリズム感がなくなり、機械的な文章になってしまいます。小説などを読むと分かりますが、実は日本語は過去の話を現在形でも表現できます。文章に自然なリズム感を生み出すためには、現在形と過去形を交互に混ぜるといいでしょう。
■改善例
株式会社ベイジは2010年に事業をスタートしました。当時の従業員数は3名です。初年度の案件のほとんどは代理店経由でした。しかし、サイトリニューアルでWEBサイトが上位表示されるようになり、2012年から徐々に直請けの案件が増えていきます。そして、2018年には売上の全てが直請け案件となりました。
過去に起こったことを現在形で表現すると、今この瞬間起こったことであるかのような臨場感を文章に与える効果も期待できます。
絶対的な正解はありませんが、実際に音読した際に違和感がないかを確かめながら、同じような文末表現をできるだけ避けるようにしましょう。
ビジネスで使われる文章には、ある程度の専門用語は避けられませんが、難しい専門用語が増えるほど、読み手を限定させてしまいます。そのため、読者層を想定した上で、理解されるか怪しい専門用語には、できるだけ補足説明を加えるようにしたいものです。
補足の方法としては、主に以下の2つがあります。
しかし、難解で複雑な専門用語の場合、補足説明が長くなり、文章の読みやすさを妨げてしまうこともあります。そんな時には、脚注としてまとめるといいでしょう。
■例文
今回のサイトリニューアルについては、レスポンシブデザイン(※)を採用します。
※パソコン、タブレット、スマートフォンなどさまざまな画面サイズの端末からアクセスしても、それぞれに対応した最適なページを表示させる技術
専門用語をまったく使わないと、分かりにくく、抽象的な文章になることもあります。想定する読者のリテラシーに合わせて、適切に専門用語を用い、必要に応じて、丁寧な説明を添えるようにして、できるだけ多くの対象者が読めるように配慮しましょう。
二重否定とは、否定の言葉を重ねることで、婉曲的に肯定を表現する技法です。例えば以下のような言い回しです。
しかし以下のように、二重否定を使わない方が、明らかに文章は分かりやすいです。
書き手の自信がないが現れて、つい二重否定を使ってしまうのかもしれませんが、基本的には伝えたいことが曖昧になるだけなので、ビジネスでは避けるようにしましょう。
丁寧に仕事をする人なら、完成前や提出前に文章をきちんと見直す習慣があると思いますが、それは「誤字脱字がないか?」という観点での見直しだったりしないでしょうか?
ここでいう「推敲」とは、文章を練り直すことで、単に誤字脱字を発見するのではなく、「もっと分かりやすくならないか」「もっと伝わりやすい言葉選びができないか」という観点から、文章をより洗練させていく行為のことを指します。
文章に書きなれている人でも、一発で良い文章が書けることは稀です。文章が上手に見えている人は、きちんと推敲を行っていることが多いです。
当社代表の枌谷も、経営者としてはかなり文章を書く方だと思いますが、それでも最初に書いた文章(初稿)をそのまま使うことはなく、最低でも2度は推敲をするそうです。
結果、文字量は初稿の3分の2から半分くらいになり、文章の大きな骨格は維持したまま、8割以上の文章に手を加えています。時には、テーマが同じなだけで、初稿と全然違う文章になることもあるそうです。
文章が本業ではない私たちは、推敲にたっぷりと時間を費やすことは普通できませんが、1時間でも2時間でもいいので時間を確保して、提出前にきちんと推敲をするだけで、文章のクオリティは段違いに変わります。
また、自分が書いた文章を批判的に観察して磨き込んでいく推敲という作業を続けていると、文章力もどんどんと上達していきます。文章が苦手という人は、単に文章にかけている時間が少ないだけ、ということも往々にしてあります。苦手な人ほど、推敲にきちんと時間を取るようにしましょう。
文章を書くのが苦手な人ほど、「上達するには何年もかかりそう」、「生まれ持ったセンスが大事だから自分には無理」などと思いがちです。たしかに小説家やエッセイストのような文章を書くには、相当な鍛錬とセンスが必要でしょう。
しかし、ビジネスで求められるのは、そんなに高度な文章ではありません。伝わりやすく分かりやすい文章であれば、一定のルールを理解し、コツを掴めば、すぐに平均以上のスキルに上達します。
本記事で紹介した11のセオリーは、すぐ実践できるものばかりです。今、あなたがまさに書こうとしている企画書、報告書、ブログの文章にも応用できるはずです。
是非、この記事を読みながら、今までよりも「上手な文章」を目指してみてください。
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